オーストラリア 2019年IC法 | 新規化学物質届出制度

オーストラリアで新規化学物質を製造もしくは輸入をする際には,2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019)に基づき,新規化学物質届出をしなければならない.旧法は,1989年IC法 (工業化学品法 1989: Industrial Chemicals Act 1989)であり,新法である2019年IC法は2020年7月1日に施行された.以下に新法での届出制度の概要を説明する.
※導入とは,製造と輸入を意味する.

  • 法規・参考
    • 2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019: 法規①): WEBPDF
    • 2019年IC規則 (工業化学品規制 2019: Industrial Chemicals Rules 2019: 法規②): WEBPDF
    • 2019年IC(経過規定)法 (工業化学品法 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Act 2019: 法規③): WEBPDF
    • 2019年IC(経過規定)規則 (工業化学品規制 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Rules 2019: 法規④): WEBPDF
  • 所管当局・届出先
    AICIS (オーストラリア工業化学品導入機構:Australian Industrial Chemicals Introduction Scheme)
  • 届出者 (Section 12 (法規①))
    • 導入者
      工業化学品を導入する前,登録年(9/1開始)ごとに工業化学品導入者登録簿(Register of Industrial Chemical Introducers)に登録しなければならない.
  • 届出物質
    以下に届出の対象物質と対象外物質を記す.
    • 対象物質
      工業化学品 (Section 10 (法規①))
      以下のいずれかを意味する.
      • 工業用途を持つ化学元素
      • 工業用途を持つ化学元素の化合物または錯体
      • 工業用途を持つUVCB物質
      • 工業用途を持つアーティクルから放出された化学品
      • 工業用途を持つ天然に存在する化学品
      • この項の目的のために規則で規定されている,工業用途を持つその他化学品または物質

    • 対象外物質 (Section 11 (2) (法規①))
      以下のいずれかに該当する場合は除外される.
      • 天然に存在する化学品
      • 単離されていない中間体
      • 偶発的に導入された化学品
      • 放出を意図しないアーティクルから放出される工業化学品
      • この項の目的のために規則で規定されている工業化学品
  • 届出種類(導入前の届出)
    以下に届出種類を記す.導入前に届出をする必要があるかどうかは各項目に記す.届出種類は以下6種類となる.
    • 対象物質収載導入(listed introductions) (Section 25 (法規①))
      工業化学品がインベントリーに記載され,インベントリーの条件に従っている場合に該当する.導入前の届出は不要.

    • 免除導入(exempted introductions) (Section 26 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが非常に低い場合に該当する.導入前の届出は不要.
      以下は免除導入の種類である.
      • 免除導入の種類
        • 輸出専用の工業化学品の導入 (Section 26(2) (法規②))
        • R&D(研究開発: Research and Development)用途の工業化学品の導入(Section 26(3) (法規②))
        • 収載済みポリマーと同等のポリマーの導入 (Section 26(4) (法規②))
        • 収載済み工業化学品と同等の工業化学品の導入 (Section 26(5) (法規②))
        • 低懸念ポリマーの導入 (Section 26(6) (法規②))
        • 低懸念生体ポリマーの導入 (Section 26(7) (法規②))
        • 収載済み工業化学品の非機能化表面処理から生じる工業化学品の導入 (Section 26(8) (法規②))
        • 一番高いリスクが非常に低いリスクである導入 (Section 36 (法規②))

    • 報告導入(reported introductions) (Section 27 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが低い場合に該当する.導入前レポート(pre-introduction report)の届出は必要である.
      以下は報告導入の種類である.
      • 報告導入の種類 (Section 38 (法規②))
        報告導入の6種類を以下に記す.
        • 人健康と環境に関して国際評価された工業化学品の導入 (Section 38 (法規②))
        • 人健康に関して国際評価されているが,環境に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 39 (法規②))
        • 環境に関して国際評価されているが,人健康に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 40 (法規②))
        • R&D用途の工業化学品の導入 (Section 41 (法規②))
        • 低リスク風味もしくは香料の導入 (Section 42 (法規②))
        • 一番高いリスクが低いリスクであるその他導入 (Section 43 (法規②))

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 28, 31, 32 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが中~高の場合に該当する.導入者は,導入前に評価証明書向けに届出し,評価証明書を取得する必要がある.評価証明書の化学物質名と最終用途は秘密にできる.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 29, 53, 54, 59 (法規①))
      導入者は,導入前に商業査定免許(commercial evaluation authorisation)向けの届出をし,商業査定免許を取得する必要がある.商業査定免許の化学物質名と最終用途は秘密にできる.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 30, Section 67 (法規①)
      導入者は,導入前に例外状況免許(exceptional circumstances authorisation)向けの届出をし,例外状況免許を取得する必要がある.例外状況免許の関連情報はAICISのウェブサイトに公開される.
  • 届出時期
    • 対象物質収載導入(listed introductions) (Section 25 (法規①))
      導入前の届出は不要である.

    • 免除導入(exempted introductions) (Section 26 (法規①))
      導入前の届出は不要である.

    • 報告導入(reported introductions) (Section 27 (法規①))
      導入前に届出が必要である.

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 32 (法規①))
      導入の70営業日前に届出が必要である.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 54 (法規①))
      導入の20営業日前に届出が必要である.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 67 (法規①))
      規定なし
  • 必要情報
    導入前の届出に必要な報告導入,評価導入,商業査定導入,例外状況導入に必要な情報を以下に記す.
    • 報告導入(reported introductions)
      報告導入の6種類各々に必要な情報を以下に記す.
      • 人健康と環境に関して国際評価された工業化学品の導入 (Section 38 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 最終使用時の工業化学品の最大濃度
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 以下について工業化学品を評価または査定した国際評価機関の名前:
          i) 人健康; and
          ii) 環境
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または評価が完了した年
        • 国際的な評価または評価に,最終用途,導入量,または最終用途での工業化学品の最大濃度に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による人健康または環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による人健康または環境への危険の深刻度の増加

      • 人健康に関して国際評価されているが,環境に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 39 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 最終使用時の工業化学品の最大濃度
        • 工業化学品の導入が指定された種類の環境への放出を引き起こすかどうか,もしそうであれば,どの種類か
        • 導入の環境暴露帯,および暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 導入者に知られている工業化学品の環境危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2)または(3)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか
        • 人健康に対する工業化学品を評価もしくは査定した国際的な評価機関の名前
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または査定が完了した年
        • 国際的な評価または査定に,最終用途,導入量,または最終用途での工業化学品の最大濃度に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による人健康または環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による人健康または環境への危険の深刻度の増加

      • 環境に関して国際評価されているが,人健康に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 40 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 以下の場合,工業化学品のポリマー分子量の詳細
          i) 工業化学品は高分子量ポリマーである; and
          ii) 導入のための人健康の暴露帯は4である
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 導入の人健康暴露帯,および暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 導入者に知られている工業化学品の人健康危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2)または(3)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか
        • 環境に対する工業化学品を評価もしくは査定した国際的な評価機関の名前
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または査定が完了した年
        • 国際的な評価または評価に,最終用途または導入量に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による環境への危険の深刻度の増加

      • R&D用途の工業化学品の導入 (Section 41 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品が固体として導入されるか,分散としてか,それともどれでもないか
        • 法規②のSection 27(2)または(3)の要件(要件がある場合)が導入に合致していることの宣言

      • 低リスクフレーバーブレンド(風味)もしくはフレグランスブレンド(香料)の導入 (Section 42 (法規②))
        • 工業化学品の一部として導入されるフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの名前
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合,工業化学品の一部として導入されるフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの化学品の所有者名
        • 法規②のSection 27(4)に従って,導入者が導入するフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの工業化学品の数
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント

      • 一番高いリスクが低いリスクであるその他導入 (Section 43 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 以下の場合,工業化学品のUVCB物質の説明
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている; and
          ii) 工業化学品がUVCB物質である; and
          iii) 以下のいずれか:
           ・導入の人健康の暴露帯は4である; or
           ・導入の環境暴露帯は3または4である
        • 以下の場合,工業化学品のUVCB物質の説明を局長に提供した化学品の所有者の名前:
          i) 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない; and
          ii) 工業化学品がUVCB物質である; and
          iii) 以下のいずれか:
           ・導入の人健康の暴露帯は4である; or
           ・導入の環境暴露帯は3または4である
        • 以下の場合,工業化学品のポリマー分子量の詳細
          i) 工業化学品は高分子量ポリマーである; and
          ii) 導入のための人健康の暴露帯は4である
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 以下両方:
          i) 導入の人健康暴露帯
          ii) 暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の導入が指定された種類の環境への放出を引き起こすかどうか,もしそうであれば,どの種類か
        • 以下両方:
          i) 導入の環境暴露帯
          ii) 暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 導入者に知られている工業化学品の人健康危険特性
        • 導入者に知られている工業化学品の環境危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2),(3)または(4)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 38 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 評価範囲
      • 工業化学品の導入または使用に関する条件
        • 導入が許可されている工業化学品の数量条件
        • 導入または使用が許可される工業化学品の場所条件
        • 導入が許可される工業化学品の期間条件
      • 導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 59 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 承認が有効な期間(4年は越えてはならない)
      • 工業化学品の最終用途
      • 承認を受けた工業化学品の導入は,商業査定を目的とするものでなければならない
      • 工業化学品の導入または使用による人健康または環境へのリスクを管理するために必要な、工業化学品の導入または使用に関する条件
      • 導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 67 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 承認が有効な期間
      • 承認の範囲
      • 工業化学品の導入または使用による人健康または環境へのリスクを管理するために必要な,大臣が納得する工業化学品の導入または使用に関する条件
      • 承認に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報
  • 審査後の対応・管理 (輸入後の対応・管理)
    届出種類ごとに対応すべきことを以下に記す.
    • 対象物質収載導入(listed introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 免除導入(exempted introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • 免除導入の記録保持 (Section 47~51 (法規②))
      • 免除導入の導入後の宣言 (Section 96A (法規①), Section 36 (法規②))
        以下に該当する場合,宣言が必要である
        • 一番高いリスクが非常に低いリスクである導入 (Section 36(2) (法規②))
        • 低懸念ポリマーの導入 (Section 36(4) (法規②))
        • 低懸念生体ポリマーの導入 (Section 36(4) (法規②))
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 報告導入(reported introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 評価導入(assessed introductions)
      • 評価ステートメント(Section 36 (法規①))
        申請者は評価ステートメントのドラフトを受領する.問題なければ,局長は申請者に評価ステートメントを発行し,評価ステートメントはAICISのウェブサイトに公開される.
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.
  • その他
    以下にインベントリー,秘密保持対応,善意の導入者への開示について記す.
    • インベントリー (Section 81, 82, 83 (法規①))
      評価証明書の効力を5年間持つ工業化学品は,一般的にインベントリーに収載される.評価証明書の保有者は早期収載(early listing)の届出をすることができる.工業化学品は5年経過前にインベントリーに収載される.

      • インベントリーの内容 (Section 81 (法規①))
        インベントリーには,工業化学品ごとに以下(インベントリー収載条件)を含めなければならない.
        • 工業化学品のCAS名称およびCAS番号
        • 工業化学品の分子式
        • 工業化学品の評価範囲
        • 工業化学品の導入または使用条件
          i) 導入許可される工業化学品の量
          ii) 工業化学品の導入または使用許可条件
          iii) この項の目的のために規則によって規定された種類の条件
        • 工業化学品の導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報
          ※CBI(機密企業情報:Confidential Business Information)が承認されると,CAS名称やCAS番号,分子式の代わりにAACN(AICIS承認化学物質名の略: short for AICIS approved chemical name)が公開される.

      • 5年後のインベントリー収載 (Section 82 (法規①))
        以下の場合,局長は工業化学品をインベントリーに記載しなければならない.
        • 工業化学品がインベントリーに収載されていない; and
        • 工業化学品の評価証明書が発行されている; and
        • 評価証明書が有効; and
        • 評価証明書が発行されてから5年が経過

      • 5年前(5年経過前)のインベントリー収載 (Section 83 (法規①))
        工業化学品の評価証明書の所有者は,以下の場合,インベントリーに収載するよう当該化学品を局長に届出することができる.
        • 工業化学品がインベントリーに収載されていない; and
        • 評価証明書が有効; and
        • 評価証明書には,Section 38(2)(c)に記載されている種類の条件(工業化学品の導入が許可されている条件)が含まれていない; and
        • 評価証明書が発行されてから5年経過していない

    • 秘密保持対応 (Section 105, 108, 110, 111 (法規①))
      届出の際,企業秘密に関係する以下情報は秘密保持することができる.

      • 工業化学品の正式名称が対象 (Section 105(1), Section 108(3), Section 110 (法規①))
        以下の場合,工業化学品の正式名称をCBIとして申請可能である.正式名称の代わりにAACNが公開される.局長が承認すると5年間保護される(Section 110).承認から5年後,承認継続のための申請が可能である(Section 111).
        • Section 31に基づく工業化学品の評価証明書申請
        • Section 53に基づく工業化学品の商業的評価認可申請
        • Section 97に基づく導入前レポート
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

      • 工業化学品の最終用途が対象 (Section 105(2), Section 108(4), Section 110 (法規①))
        以下の場合,工業化学品の最終用途をCBIとして申請可能である.最終用途の代わりに一般用途が公開される.局長が承認すると5年間保護される(Section 110).承認から5年後,承認継続のための申請が可能である(Section 111).
        • Section 31に基づく工業化学品の評価証明書申請
        • Section 43に基づく工業化学品の評価証明申請の最終用途変更申請
        • Section 53に基づく工業化学品の商業的評価認可申請
        • Section 88に基づく工業化学品のインベントリーに収載されている最終用途変更申請
        • Section 97に基づく導入前レポート
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

      • その他情報が対象 (Section 113 (法規①))
        申請者はCBIとして扱われる情報について局長に申請をすることができる.ただし,以下項目の申請は不可(Section 114).
        • Section 105に基づく保護申請情報
        • 工業化学品の組成が明らかではない化学品の物理的・化学的データ
        • 工業化学品の導入もしくは使用による人健康または環境リスクに関するデータ概要

    • 善意の導入者(Bona fide Introducer)への開示 (Section 120 (法規①))
      以下に該当する申請者へ,工業化学品に関する保護情報が開示される.
      1. 工業化学品がインベントリーに収載されている; and
      2. 以下を満足している
        ・申請者が工業化学品の導入を意図している; and
        ・開示は,工業化学品の安全な導入と使用に必要
  • 参考
    AICIS (HP)

以上