オーストラリア 2019年IC法 経過措置 | 新規化学物質届出制度

オーストラリアで新規化学物質(工業化学品)を製造もしくは輸入をする際には,新法である2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019)に基づき,届出をしなければならない.旧法は,1989年IC法 (工業化学品法 1989: Industrial Chemicals Act 1989)であり,新法である2019年IC法は2020年7月1日に施行された.2019年IC法が施行されるにあたり,経過措置の法と規則が施行されたので以下に記す.なお,以下は旧法に基づき承認された申請が新法での有効性を記す.

  • 法規
    • 2019年IC(経過規定)法 (工業化学品法 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Act 2019: 法規①): WEBPDF
    • 2019年IC(経過規定)規則 (工業化学品規制 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Rules 2019: 法規②): WEBPDF
    • 2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019: 法規③): WEBPDF
    • 2019年IC規則 (工業化学品規制 2019: Industrial Chemicals Rules 2019: 法規④): WEBPDF
  • 旧法に基づく申請の新法での取り扱い
    • 旧法で発行された評価証明書 (Assessment Certificates) (Section 11 (法規①),参考①)
      旧法に基づき発行された評価証明書は,2020年7月1日以降,新法では以下のようにみなされる.

      旧法新法
      評価証明書評価証明書
      所有者所有者
      対象拡大された者対象者
      内容 (terms)内容 (terms)
      通知義務 (旧法 Section 64(1) and (2))局長への情報提供 (新法 Section 38(1)(d))

      備考:
      • 評価証明書は,2020年7月1日以降,新法に基づき発行された評価証明書(Assessment Certificates)とみなされる
      • 評価証明書の所有者は,新法の下での評価証明書の所有者とみなされる
      • 評価証明書が旧法に基づき導入者の対象を拡大した場合,その者は新法に基づく評価証明書の対象とみなされる
      • 旧法に基づく評価証明書の内容(terms)は,新法に基づく評価証明書の条件とみなされる
      • 旧法のSection 64(1)および(2)に基づく通知義務は,新法のSection 38(1)(d)に基づく局長に情報を提供するための特定要件であるとみなされる

    • 旧法で発行された商業査定許可 (Commercial Evaluation Permits; CEP) (Section 17 (法規①),参考②)
      旧法に基づき発行された商業査定許可(CEP)は,2020年7月1日以降,新法では以下のようにみなされる.

      旧法新法
      商業査定許可(Commercial Evaluation Permits; CEP)商業査定免許(Commercial Evaluation Authorisation; CEA)
      所有者所有者
      内容(terms)内容(terms)
      条件(conditions) (旧法 Section 21L(1))導入または使用に関する条件 (新法 Section 59(1)(e))
      有効期間有効期間

      備考:
      • 商業査定許可は,2020年7月1日以降,新法に基づき発行された商業査定免許(Commercial Evaluation Authorisation; CEA)とみなされる
      • CEPの所有者は,新法の下でのCEAの所有者とみなされる
      • 旧法に基づくCEPの内容(terms)は,新法に基づくCEAの内容とみなされる
      • 旧法のSection 21L(1)に基づくCEPの条件(conditions)は,新法のSection 59(1)(e)に基づくCEAの導入または使用に関する条件とみなされる
      • 旧法に基づくCEPの有効期間は,新法に基づくCEAの有効期間とみなされる

        なお,CEPは新法に基づくCEAに更新することは可能である.ただし,CEAの有効期間は,NICNASで許可された日から最大4年までとなる.

    • 旧法で発行された少量許可 (Low Volume Permits) (Section 19 (法規①),参考③)
      旧法に基づき発行された少量許可は,2020年7月1日以降,新法では以下のようにみなされる.

      旧法新法
      少量許可 (Law Volume Permits)評価証明書 (Assessment Certificates)
      所有者所有者
      対象拡大された者対象者
      条件(conditions) (旧法 Section 21W(3))条件(conditions) (新法 Section 38(1)(c))
      条件(conditions) (旧法 Section 21W(1))局長に情報を提供するための特定要件 (Section 38(1)(d))
      有効期間有効期間 (以下備考6参考; 通常2022年6月30日まで有効)

      備考:
      • 少量許可は,2020年7月1日以降,新法に基づき発行された評価証明書とみなされる
      • 少量許可の所有者は,新法の下で評価証明書の所有者とみなされる
      • 旧法に基づく少量許可の内容(terms)は,新法に基づく評価証明書の内容とみなされる
      • 旧法のSection 21W(3)に基づく少量許可の条件(conditions)は,新法のSection 38(1)(c)に基づく評価証明書の条件とみなされる
      • 旧法のSection 21W(1)に基づく少量許可の条件(conditions)は,新法のSection 38(1)(d)に基づき局長に情報を提供するための特定要件とみなされる
      • 旧法に基づく少量許可の有効期間は,以下a~cの最も早い期間が評価証明書の有効期間とみなされる.
        • 少量許可の有効期限が2022年6月30日までの場合:評価証明書は2022年6月30日まで有効となる
        • 少量許可の有効期限が2022年6月30日より後の場合:評価証明書の有効期限は少量許可の有効期限に準ずる
        • 評価証明書に関係するその他の日 (評価証明書の取消日,キャンセル日,導入許可期間があれば,最終日の次の日)

          有効期限後は更新を申請することはできず,AICISに従った導入を実施する必要がある.なお,新法に基づき発行された評価証明書は,5年経過前にインベントリー収載はできない.


    • 旧法に基づく管理使用許可 (Controlled Use Permits; CUP) (Section 26 (法規①),参考④)
      旧法に基づき発行された管理使用許可(CUP)は,2020年7月1日以降,新法では以下のようにみなされる.

      旧法新法
      管理使用許可 (Controlled Use Permits; CUP)評価証明書 (Assessment Certificates)
      所有者所有者
      内容(terms)内容(terms)
      条件(conditions) (旧法 Section 22H(1))条件(conditions) (新法 Section 38(1)(c))
      条件(conditions) (旧法 Section 22H(2))局長に情報を提供するための特定要件 (Section 38(1)(d))
      有効期間有効期間 (以下備考6参考; 通常2022年6月30日まで有効)

      備考:
      • 管理使用許可は,2020年7月1日以降,新法に基づき発行された評価証明書とみなされる
      • 管理使用許可の所有者は,新法の下で評価証明書の所有者とみなされる
      • 旧法に基づく管理使用許可の内容(terms)は,新法に基づく評価証明書の内容とみなされる
      • 旧法のSection 22H(1)に基づく管理使用許可の適用条件(conditions)は,新法のSection 38(1)(c)に基づく評価証明書の適用条件とみなされる
      • 旧法のSection 22H(2)に基づく管理使用許可の適用条件(conditions)は,新法のSection 38(1)(d)に基づき局長に情報を提供する特定要件とみなされる
      • 旧法に基づく管理使用許可の有効期間は,以下a~cの最も早い期間が評価証明書の有効期間とみなされる.
        • 管理使用許可の有効期限が2022年6月30日までの場合:評価証明書は2022年6月30日まで有効となる
        • 管理使用許可の有効期限が2022年6月30日より後の場合:評価証明書の有効期限は管理使用許可の有効期限に準ずる
        • 評価証明書に関係するその他の日 (評価証明書の取消日,キャンセル日,導入許可期間があれば,最終日の次の日)

          有効期限後は更新を申請することはできず,AICISに従った導入を実施する必要がある.なお,新法に基づき発行された評価証明書は,5年経過前にインベントリー収載はできない.

    • 旧法のsection 21に基づく導入1 (introductions under section 21 of old law) (Section 58 (法規②),参考⑤)
      以下を対象とする旧法に基づく免除導入は,2020年7月1日以降,新法下でも2022年8月31日まで使用可能だが,規定などは遵守しなければならない.

      旧法新法
      研究開発または分析(事前に届出した場所で製造) (旧法 Section 21(3))報告導入
      研究開発または分析(100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(6)(a))報告導入
      化粧品用(不当なリスクなし,100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(4)(b)(i))報告導入
      非化粧品用(不当なリスクなし,100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(4)(b)(ii))報告導入
      化粧品用(非有害性化学品であり,化粧品中で1%以下) (旧法 Section 21(6)(c))報告導入
      承認条項の要求や規定承認条項の要求や規定
      有効期間有効期間 (以下備考2参考; 2022年8月31日まで有効)

      備考:
      • 対象
        • 研究開発または分析(事前に届出した場所で製造) (旧法 Section 21(3))
        • 研究開発または分析(100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(6)(a))
        • 化粧品用(不当なリスクなし,100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(4)(b)(i))
        • 非化粧品用(不当なリスクなし,100kg/12ヵ月以下) (旧法 Section 21(4)(b)(ii))
        • 化粧品用(非有害性化学品であり,化粧品中で1%以下) (旧法 Section 21(6)(c))
      • 導入は2022年8月31日まで使用可能
      • 承認条項の要求や規定は遵守する
      • 2020年7月1日以降,新法の報告導入に基づき認可されているものとみなされる

        2022年9月1日以降,AICIS下で承認されるために導入を分類しなければならない.

    • 旧法のsection 21に基づく導入2 (introductions under section 21 of old law) (参考⑤)
      以下を対象とする旧法に基づく免除導入(以下1のa)は,2020年7月1日以降,新法下では以下4のaもしくはbとみなされる.

      旧法新法
      税関の管理下での積み替え (旧法 Section 21(6)(b))除外導入 (新法 Section 11(3))
      税関の管理下での積み替え (旧法 Section 21(6)(b))免除導入 (新法 Section 26)
      承認条項の要求や規定承認条項の要求や規定

      備考:
      • 対象
        • 税関の管理下での積み替え (旧法 Section 21(6)(b))
      • 承認条項の要求や規定は遵守する
      • 2020年7月1日以降,新法の免除導入に基づき認可されているものとみなされる
      • 新法に基づき以下にみなされる
        • 除外導入 (Section 11(3) (法規③))
          オーストラリアの港または空港に導入され,25営業日以内に輸出される,Customs Act 1901に基づく税関管理の対象になる工業化学品
        • 免除導入 (Section 26 (法規④))
          オーストラリアの港または空港に導入され,工業化学品の包装は開封されることなく輸出される,Customs Act 1901に基づく税関管理の対象もしくは導入者の管理下にある工業化学品
  • 参考
    • AICIS HP 移行規則 Assessment Certificate (参考①)
    • AICIS HP 移行規則 Commercial Evaluation Permits (参考②)
    • AICIS HP 移行規則 Low Volume Permits (参考➂)
    • AICIS HP 移行規則 Controlled Use Permits (参考④)
    • AICIS HP 移行規則 Exemption (参考⑤)

以上

オーストラリア 2019年IC法 免除導入の詳細 | 新規化学物質届出制度

オーストラリアで新規化学物質(工業化学品)を製造もしくは輸入をする際には,2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019)に基づき,届出をしなければならない.届出の種類に免除導入があるが,以下に免除が適用される条件を説明する.なお全体を説明した内容は以下参照.

オーストラリア 2019年IC法 | 新規化学物質届出制度

※導入とは,製造と輸入を意味する.

  • 法規・参考
    • 2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019: 法規①): WEBPDF
    • 2019年IC規則 (工業化学品規制 2019: Industrial Chemicals Rules 2019: 法規②): WEBPDF
  • 免除の適用条件
    免除の種類は以下8種類あり,適用条件は各項に記す.

    • 輸出専用の工業化学品の導入 (Section 26(2) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品がオーストラリアの港または空港に導入される
      • その後,工業化学品の総量がオーストラリアから輸出される
      • 工業化学品がオーストラリアにある間は,工業化学品が含まれる包装は開封されない
      • 工業化学品がオーストラリアにある間は,工業化学品は以下のいずれかである
        i) 1901年の関税法に基づく税関管理の対象
        ii) 工業化学品を導入する者の管理下にある
      • 法規①のSection 11 (3)は導入の適用外である

        * 法規①のSection 11 (3)に基づき,工業化学品が25営業日以内にオーストラリアを離れ,かつ離れる前には税関法1901に基づく通関管理の対象になる場合,工業化学品の導入の除外となる.したがって,上記dのi)は,工業化学品が25営業日を超えて税関管理の対象になる場合に適用される.

    • R&D(研究開発: Research and Development)用途の工業化学品の導入(Section 26(3) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品の導入は以下いずれかに該当
        i) R&D用途で使用される工業化学品
        ii) 工業化学品を第三者にR&D用途で使用する目的で,R&D用途で使用される工業化学品
      • 工業化学品は,以下いずれかのように,一般に公開されていない
        i) 単品
        ii) 1つ以上の他の工業化学品との組み合わせ
        iii) アーティクルを生産するため,工業化学品が物理的または化学的変化を受けるアーティクルの一部
      • 工業化学品の導入と使用によるリスクを排除または最小化するために,管理措置は以下両方に行われる.
        i) R&Dに関連する者
        ii) 環境
      • 登録年度に導入した工業化学品の総量は以下を超えない
        i) ナノスケールの場合:10kg
        ii) その他の場合:250kg

    • 収載済みポリマーと同等のポリマーの導入 (Section 26(4) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品はポリマーである
      • インベントリーに収載されているポリマーを反応物の1つとして含むポリマー
      • 収載済みポリマーを含めずに,1つ以上反応物を含むポリマー
      • 追加の反応物は2%を超えないポリマー
      • 導入は,収載済みポリマーを収載するインベントリーの次の条件を遵守する
        i) 工業化学品の評価範囲
        ii) 工業化学品の導入または使用に関する条件
        iii) 工業化学品の導入に関して,局長へ提供情報の特別要件
        iv) 法規① Section 81(1)(f)の目的のために規定されている工業化学品に関するその他情報

    • 収載済み工業化学品と同等の工業化学品の導入 (Section 26(5) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 以下表のcolumn 1に記載されている工業化学品の導入
      • 導入は,以下表のcolumn 3に記載されている工業化学品のインベントリーの条件を遵守している
        i) 工業化学品の評価範囲
        ii) 工業化学品の導入または使用に関する条件
        iii) 工業化学品の導入に関して,局長へ提供情報の特別要件
        iv) 法規① Section 81(1)(f)の目的のために規定されている工業化学品に関するその他情報

    • 低懸念ポリマーの導入 (Section 26(6) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品は低懸念ポリマーである
      • 工業化学品は,肺への負担が懸念されている高分子量ポリマーではない

    • 低懸念生体ポリマーの導入 (Section 26(7) (法規②)
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品は生体化学品ではない
      • 工業化学品はポリマーである
      • スケジュール2の低懸念ポリマーの定義に,ポリマーが安定であるという要件が含まれていない場合,工業化学品は低懸念ポリマーに該当する可能性がある

    • 収載済み工業化学品の非機能化表面処理から生じる工業化学品の導入 (Section 26(8) (法規②))
      以下の場合,適用される.
      • 工業化学品は,化学品(基質化学品)の1つの表面で発生する2つ以上の化学品間の反応の結果である
      • 基質化学品と反応するその他化学品の1つはインベントリーに収載されている
      • 工業化学品は以下のような工業化学品ではない
        i) 固体であるか,分散液中にある
        ii) ナノスケール
      • 基質化学品に存在しない反応官能基であり,工業化学品にもない反応官能基である

    • 一番高いリスクが非常に低いリスクである導入 (Section 36 (法規②))
      導入がSection 24 (法規②)のstep 6に従う免除である場合,Section 36の表に情報が規定されている.

  • 参考
    AICIS (HP)

以上

オーストラリア 2019年IC法 | 新規化学物質届出制度

オーストラリアで新規化学物質を製造もしくは輸入をする際には,2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019)に基づき,新規化学物質届出をしなければならない.旧法は,1989年IC法 (工業化学品法 1989: Industrial Chemicals Act 1989)であり,新法である2019年IC法は2020年7月1日に施行された.以下に新法での届出制度の概要を説明する.
※導入とは,製造と輸入を意味する.

  • 法規・参考
    • 2019年IC法 (工業化学品法 2019: Industrial Chemicals Act 2019: 法規①): WEBPDF
    • 2019年IC規則 (工業化学品規制 2019: Industrial Chemicals Rules 2019: 法規②): WEBPDF
    • 2019年IC(経過規定)法 (工業化学品法 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Act 2019: 法規③): WEBPDF
    • 2019年IC(経過規定)規則 (工業化学品規制 (改定・経過規定) 2019: Industrial Chemicals (Consequential Amendments and Transitional Provisions) Rules 2019: 法規④): WEBPDF
  • 所管当局・届出先
    AICIS (オーストラリア工業化学品導入機構:Australian Industrial Chemicals Introduction Scheme)
  • 届出者 (Section 12 (法規①))
    • 導入者
      工業化学品を導入する前,登録年(9/1開始)ごとに工業化学品導入者登録簿(Register of Industrial Chemical Introducers)に登録しなければならない.
  • 届出物質
    以下に届出の対象物質と対象外物質を記す.
    • 対象物質
      工業化学品 (Section 10 (法規①))
      以下のいずれかを意味する.
      • 工業用途を持つ化学元素
      • 工業用途を持つ化学元素の化合物または錯体
      • 工業用途を持つUVCB物質
      • 工業用途を持つアーティクルから放出された化学品
      • 工業用途を持つ天然に存在する化学品
      • この項の目的のために規則で規定されている,工業用途を持つその他化学品または物質

    • 対象外物質 (Section 11 (2) (法規①))
      以下のいずれかに該当する場合は除外される.
      • 天然に存在する化学品
      • 単離されていない中間体
      • 偶発的に導入された化学品
      • 放出を意図しないアーティクルから放出される工業化学品
      • この項の目的のために規則で規定されている工業化学品
  • 届出種類(導入前の届出)
    以下に届出種類を記す.導入前に届出をする必要があるかどうかは各項目に記す.届出種類は以下6種類となる.
    • 対象物質収載導入(listed introductions) (Section 25 (法規①))
      工業化学品がインベントリーに記載され,インベントリーの条件に従っている場合に該当する.導入前の届出は不要.

    • 免除導入(exempted introductions) (Section 26 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが非常に低い場合に該当する.導入前の届出は不要.
      以下は免除導入の種類である.
      • 免除導入の種類
        • 輸出専用の工業化学品の導入 (Section 26(2) (法規②))
        • R&D(研究開発: Research and Development)用途の工業化学品の導入(Section 26(3) (法規②))
        • 収載済みポリマーと同等のポリマーの導入 (Section 26(4) (法規②))
        • 収載済み工業化学品と同等の工業化学品の導入 (Section 26(5) (法規②))
        • 低懸念ポリマーの導入 (Section 26(6) (法規②))
        • 低懸念生体ポリマーの導入 (Section 26(7) (法規②))
        • 収載済み工業化学品の非機能化表面処理から生じる工業化学品の導入 (Section 26(8) (法規②))
        • 一番高いリスクが非常に低いリスクである導入 (Section 36 (法規②))

    • 報告導入(reported introductions) (Section 27 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが低い場合に該当する.導入前レポート(pre-introduction report)の届出は必要である.
      以下は報告導入の種類である.
      • 報告導入の種類 (Section 38 (法規②))
        報告導入の6種類を以下に記す.
        • 人健康と環境に関して国際評価された工業化学品の導入 (Section 38 (法規②))
        • 人健康に関して国際評価されているが,環境に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 39 (法規②))
        • 環境に関して国際評価されているが,人健康に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 40 (法規②))
        • R&D用途の工業化学品の導入 (Section 41 (法規②))
        • 低リスク風味もしくは香料の導入 (Section 42 (法規②))
        • 一番高いリスクが低いリスクであるその他導入 (Section 43 (法規②))

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 28, 31, 32 (法規①))
      人健康や環境へのリスクが中~高の場合に該当する.導入者は,導入前に評価証明書向けに届出し,評価証明書を取得する必要がある.評価証明書の化学物質名と最終用途は秘密にできる.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 29, 53, 54, 59 (法規①))
      導入者は,導入前に商業査定免許(commercial evaluation authorisation)向けの届出をし,商業査定免許を取得する必要がある.商業査定免許の化学物質名と最終用途は秘密にできる.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 30, Section 67 (法規①)
      導入者は,導入前に例外状況免許(exceptional circumstances authorisation)向けの届出をし,例外状況免許を取得する必要がある.例外状況免許の関連情報はAICISのウェブサイトに公開される.
  • 届出時期
    • 対象物質収載導入(listed introductions) (Section 25 (法規①))
      導入前の届出は不要である.

    • 免除導入(exempted introductions) (Section 26 (法規①))
      導入前の届出は不要である.

    • 報告導入(reported introductions) (Section 27 (法規①))
      導入前に届出が必要である.

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 32 (法規①))
      導入の70営業日前に届出が必要である.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 54 (法規①))
      導入の20営業日前に届出が必要である.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 67 (法規①))
      規定なし
  • 必要情報
    導入前の届出に必要な報告導入,評価導入,商業査定導入,例外状況導入に必要な情報を以下に記す.
    • 報告導入(reported introductions)
      報告導入の6種類各々に必要な情報を以下に記す.
      • 人健康と環境に関して国際評価された工業化学品の導入 (Section 38 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 最終使用時の工業化学品の最大濃度
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 以下について工業化学品を評価または査定した国際評価機関の名前:
          i) 人健康; and
          ii) 環境
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または評価が完了した年
        • 国際的な評価または評価に,最終用途,導入量,または最終用途での工業化学品の最大濃度に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による人健康または環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による人健康または環境への危険の深刻度の増加

      • 人健康に関して国際評価されているが,環境に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 39 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 最終使用時の工業化学品の最大濃度
        • 工業化学品の導入が指定された種類の環境への放出を引き起こすかどうか,もしそうであれば,どの種類か
        • 導入の環境暴露帯,および暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 導入者に知られている工業化学品の環境危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2)または(3)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか
        • 人健康に対する工業化学品を評価もしくは査定した国際的な評価機関の名前
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または査定が完了した年
        • 国際的な評価または査定に,最終用途,導入量,または最終用途での工業化学品の最大濃度に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による人健康または環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による人健康または環境への危険の深刻度の増加

      • 環境に関して国際評価されているが,人健康に関して国際評価されていない工業化学品の導入 (Section 40 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 以下の場合,工業化学品のポリマー分子量の詳細
          i) 工業化学品は高分子量ポリマーである; and
          ii) 導入のための人健康の暴露帯は4である
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 導入の人健康暴露帯,および暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の既知の危険分類
        • 導入者に知られている工業化学品の人健康危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2)または(3)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか
        • 環境に対する工業化学品を評価もしくは査定した国際的な評価機関の名前
        • 以下どちらも対象:
          i) 国際的な評価または査定の参照番号(記載されている場合)
          ii) 国際的な評価または査定で特定される工業化学品の名称
        • 国際的な評価または査定が完了した年
        • 国際的な評価または評価に,最終用途または導入量に関するパラメーターが含まれていた場合,これらのパラメーター
        • 以下の場合,それら制限とは何か,そしてオーストラリア人がそれらの制限をどのように遵守するか:
          i) 国際的な評価または査定は、法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものである; and
          ii) 工業化学品に関連するREACH規則のAnnex XVIIに定められた制限がある
        • 以下の場合,それら条件は何か,そしてオーストラリア人がそれらの条件をどのように遵守するか
          i) 国際的な評価または査定が法規②のSection 6(3)の表のitem 6に記載されている種類のものではない; and
          ii) 国際的な評価機関が、海外の管轄区域で工業化学品による人健康または環境へのリスクを管理するために遵守しなければならない条件を決定した
        • 以下の宣言:
          i) 工業化学品向けの完全な国際的な評価レポートが利用可能である; and
          ii) 要請があれば,局長に提供される
        • 海外の管轄区域での工業化学品の導入は禁止されていないという宣言 (記載されている場合)
        • ガイドラインに従って決定されるように、オーストラリアでの工業化学品の導入と使用による人健康と環境へのリスクは海外の管轄区域よりも高くないという宣言
        • 国際的な評価または査定が完了した後、導入者は以下情報は得られなかったという宣言:
          i) 国際的な評価または査定で特定されていない工業化学品による環境への危険; or
          ii) 国際的な評価または査定で特定された工業化学品による環境への危険の深刻度の増加

      • R&D用途の工業化学品の導入 (Section 41 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品が固体として導入されるか,分散としてか,それともどれでもないか
        • 法規②のSection 27(2)または(3)の要件(要件がある場合)が導入に合致していることの宣言

      • 低リスクフレーバーブレンド(風味)もしくはフレグランスブレンド(香料)の導入 (Section 42 (法規②))
        • 工業化学品の一部として導入されるフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの名前
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合,工業化学品の一部として導入されるフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの化学品の所有者名
        • 法規②のSection 27(4)に従って,導入者が導入するフレーバーブレンドまたはフレグランスブレンドの工業化学品の数
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント

      • 一番高いリスクが低いリスクであるその他導入 (Section 43 (法規②))
        • 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている場合:
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
          ii) 工業化学品が導入者に知られている他の名称; and
          iii) 工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない場合:
          i) 工業化学品が導入者に知られている名称; and
          ii) 局長に提供した化学品の所有者名:
           ・工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む); and
           ・工業化学品のCAS番号(割り当てられている場合)
        • 以下の場合,工業化学品のUVCB物質の説明
          i) 工業化学品の正式名称(CAS名またはIUPAC名を含む)が導入者に知られている; and
          ii) 工業化学品がUVCB物質である; and
          iii) 以下のいずれか:
           ・導入の人健康の暴露帯は4である; or
           ・導入の環境暴露帯は3または4である
        • 以下の場合,工業化学品のUVCB物質の説明を局長に提供した化学品の所有者の名前:
          i) 工業化学品の正式名称が導入者に知られていない; and
          ii) 工業化学品がUVCB物質である; and
          iii) 以下のいずれか:
           ・導入の人健康の暴露帯は4である; or
           ・導入の環境暴露帯は3または4である
        • 以下の場合,工業化学品のポリマー分子量の詳細
          i) 工業化学品は高分子量ポリマーである; and
          ii) 導入のための人健康の暴露帯は4である
        • 工業化学品が以下であるかどうか:
          i) 輸入; or
          ii) オーストラリアで製造
        • 登録年度に導入を予定している工業化学品の最大総量
        • 工業化学品の最終用途
        • 以下両方:
          i) 導入の人健康暴露帯
          ii) 暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 工業化学品の導入が指定された種類の環境への放出を引き起こすかどうか,もしそうであれば,どの種類か
        • 以下両方:
          i) 導入の環境暴露帯
          ii) 暴露帯の元になる暴露帯の基準
        • 導入者に知られている工業化学品の人健康危険特性
        • 導入者に知られている工業化学品の環境危険特性
        • 導入者が法規②のSection 30 (2)(c)(iii)および(iv)に記載されている情報を考慮したことの宣言
        • 工業化学品が化粧品を最終用途として導入される場合,Subsection (3)で指定されたどの条件が導入に適用されるかに関するステートメント
        • 導入が,Section 7(2),(3)または(4)が適用される特定の導入クラスであるかどうか,そうであれば,どのクラスか

    • 評価導入(assessed introductions) (Section 38 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 評価範囲
      • 工業化学品の導入または使用に関する条件
        • 導入が許可されている工業化学品の数量条件
        • 導入または使用が許可される工業化学品の場所条件
        • 導入が許可される工業化学品の期間条件
      • 導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions) (Section 59 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 承認が有効な期間(4年は越えてはならない)
      • 工業化学品の最終用途
      • 承認を受けた工業化学品の導入は,商業査定を目的とするものでなければならない
      • 工業化学品の導入または使用による人健康または環境へのリスクを管理するために必要な、工業化学品の導入または使用に関する条件
      • 導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions) (Section 67 (法規①))
      以下を含む必要がある.
      • 工業化学品の正式名称
      • 承認が有効な期間
      • 承認の範囲
      • 工業化学品の導入または使用による人健康または環境へのリスクを管理するために必要な,大臣が納得する工業化学品の導入または使用に関する条件
      • 承認に関連して局長に情報を提供するための特定要件
      • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報
  • 審査後の対応・管理 (輸入後の対応・管理)
    届出種類ごとに対応すべきことを以下に記す.
    • 対象物質収載導入(listed introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 免除導入(exempted introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • 免除導入の記録保持 (Section 47~51 (法規②))
      • 免除導入の導入後の宣言 (Section 96A (法規①), Section 36 (法規②))
        以下に該当する場合,宣言が必要である
        • 一番高いリスクが非常に低いリスクである導入 (Section 36(2) (法規②))
        • 低懸念ポリマーの導入 (Section 36(4) (法規②))
        • 低懸念生体ポリマーの導入 (Section 36(4) (法規②))
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 報告導入(reported introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 評価導入(assessed introductions)
      • 評価ステートメント(Section 36 (法規①))
        申請者は評価ステートメントのドラフトを受領する.問題なければ,局長は申請者に評価ステートメントを発行し,評価ステートメントはAICISのウェブサイトに公開される.
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 商業査定導入(commercial evaluation introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない.
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.

    • 例外状況導入(exceptional circumstances introductions)
      • すべてのカテゴリーの記録保持 (Section 104 (法規①))
        工業化学品の導入に関する記録を5年間保持しなければならない
      • すべてのカテゴリーでの導入宣言(Section 99 (法規①), Section 44 (法規②))
        法規①のSection 99 (2)の目的のため,登録年度向けに宣言向けの情報が規定されている.
  • その他
    以下にインベントリー,秘密保持対応,善意の導入者への開示について記す.
    • インベントリー (Section 81, 82, 83 (法規①))
      評価証明書の効力を5年間持つ工業化学品は,一般的にインベントリーに収載される.評価証明書の保有者は早期収載(early listing)の届出をすることができる.工業化学品は5年経過前にインベントリーに収載される.

      • インベントリーの内容 (Section 81 (法規①))
        インベントリーには,工業化学品ごとに以下(インベントリー収載条件)を含めなければならない.
        • 工業化学品のCAS名称およびCAS番号
        • 工業化学品の分子式
        • 工業化学品の評価範囲
        • 工業化学品の導入または使用条件
          i) 導入許可される工業化学品の量
          ii) 工業化学品の導入または使用許可条件
          iii) この項の目的のために規則によって規定された種類の条件
        • 工業化学品の導入に関連して局長に情報を提供するための特定要件
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報
          ※CBI(機密企業情報:Confidential Business Information)が承認されると,CAS名称やCAS番号,分子式の代わりにAACN(AICIS承認化学物質名の略: short for AICIS approved chemical name)が公開される.

      • 5年後のインベントリー収載 (Section 82 (法規①))
        以下の場合,局長は工業化学品をインベントリーに記載しなければならない.
        • 工業化学品がインベントリーに収載されていない; and
        • 工業化学品の評価証明書が発行されている; and
        • 評価証明書が有効; and
        • 評価証明書が発行されてから5年が経過

      • 5年前(5年経過前)のインベントリー収載 (Section 83 (法規①))
        工業化学品の評価証明書の所有者は,以下の場合,インベントリーに収載するよう当該化学品を局長に届出することができる.
        • 工業化学品がインベントリーに収載されていない; and
        • 評価証明書が有効; and
        • 評価証明書には,Section 38(2)(c)に記載されている種類の条件(工業化学品の導入が許可されている条件)が含まれていない; and
        • 評価証明書が発行されてから5年経過していない

    • 秘密保持対応 (Section 105, 108, 110, 111 (法規①))
      届出の際,企業秘密に関係する以下情報は秘密保持することができる.

      • 工業化学品の正式名称が対象 (Section 105(1), Section 108(3), Section 110 (法規①))
        以下の場合,工業化学品の正式名称をCBIとして申請可能である.正式名称の代わりにAACNが公開される.局長が承認すると5年間保護される(Section 110).承認から5年後,承認継続のための申請が可能である(Section 111).
        • Section 31に基づく工業化学品の評価証明書申請
        • Section 53に基づく工業化学品の商業的評価認可申請
        • Section 97に基づく導入前レポート
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

      • 工業化学品の最終用途が対象 (Section 105(2), Section 108(4), Section 110 (法規①))
        以下の場合,工業化学品の最終用途をCBIとして申請可能である.最終用途の代わりに一般用途が公開される.局長が承認すると5年間保護される(Section 110).承認から5年後,承認継続のための申請が可能である(Section 111).
        • Section 31に基づく工業化学品の評価証明書申請
        • Section 43に基づく工業化学品の評価証明申請の最終用途変更申請
        • Section 53に基づく工業化学品の商業的評価認可申請
        • Section 88に基づく工業化学品のインベントリーに収載されている最終用途変更申請
        • Section 97に基づく導入前レポート
        • この項の目的のために規則によって規定されたその他情報

      • その他情報が対象 (Section 113 (法規①))
        申請者はCBIとして扱われる情報について局長に申請をすることができる.ただし,以下項目の申請は不可(Section 114).
        • Section 105に基づく保護申請情報
        • 工業化学品の組成が明らかではない化学品の物理的・化学的データ
        • 工業化学品の導入もしくは使用による人健康または環境リスクに関するデータ概要

    • 善意の導入者(Bona fide Introducer)への開示 (Section 120 (法規①))
      以下に該当する申請者へ,工業化学品に関する保護情報が開示される.
      1. 工業化学品がインベントリーに収載されている; and
      2. 以下を満足している
        ・申請者が工業化学品の導入を意図している; and
        ・開示は,工業化学品の安全な導入と使用に必要
  • 参考
    AICIS (HP)

以上